ワキタヤBLOG

おすすめしたい製品や役立つ情報をお届けします。

「マージナル・オペレーション改 02」を読み終える。『未来の戦争』が始まりつつある。

 

マージナル・オペレーション改 02 (星海社FICTIONS)

マージナル・オペレーション改 02 (星海社FICTIONS)

 

 

 楽しみにしていたマジオペシリーズの最新刊。
 
 治安回復の名目で北朝鮮に実質的な制圧部隊を送り込むという中国の作戦に参加するため、シベリア共和国のバックアップ(パウロー)を受けて色々な研修(語学、ドローン教練など)を受けていくというのが本巻の主な筋書きです。

 ジブリールとアラタの二人きりでの生活の描写がメインとなっており、既刊よりジブリールのかわいらしいところの描写が多いです。ままごとみたいな二人の生活が読んでいて非常にかわいらしい。ジブリールは本当に犬っころ。犬、大好き!

 以下、とりとめの無い感想です。

 語学研修の場面は、短期の間に1日中現地語のシャワーを浴びるという諜報員なんかが受ける方式の語学研修の様子が描写されており、アラタが中国語、朝鮮語を軽々と習得していくのを読んで、期せずせずに語学熱が高まってしまいました。やり場のないやる気を何とかすべく、思わず深夜に大学時代のテキストを引っ張り出したり!時間が許すならそういった形で語学を学んでみたいな(もの凄くスパルタなんだろうけど)。

 ドローン教練の場面は、マジオペシリーズのメインテーマである「未来の戦争」についての言及が本格的になってきたことを感じさせます。ドローンの軍事利用に関しては、本巻で描写されているようなことが現実にも研究されていると考えていいのでしょう。きっと未来の戦争はドローン同士が戦う戦争になる。そして、各国優秀なドローン操縦者を育てることが今後軍事的に重要になると。

 物語の終盤にアラタが陸上ドローン部隊を一人で操り窮地を脱出する場面がある(本館の唯一のアクションシーン)。複数のドローンの操縦はRTS(リアル・タイム・ストラテジー)ゲームの操作と似たようなものとして描写されており、現実世界でもそのような操縦法が一般的になると考えると、「Star Craft」が国民的なゲームになっている韓国には将来有望なドローン・オペレーター予備軍が一杯いるということになる。そういう意味では日本の将来は暗いのか・・・(いや、まだまだこれから!)。

 また作中の日本ではバッテリー式の陸上用ドローンの大量生産が進んでいることが示唆されている。これは「富士学校まめたん研究分室」とリンクしているのだろうな。つまり、3巻が出るまでに「まめたん」を読んでおけと、そういうことか。・・・たしか「積ん読」の棚にあったはず。このあと読もう。

 買っておいて良かったー(棒読)。

 

富士学校まめたん研究分室

富士学校まめたん研究分室

 

 

 「F2」の「徳島で大暴れするの巻」では、「まめたん」は既に警察用ドローンとして普及している。「F2」ではサキが高校に進学しているので大体5年くらいで爆発的に普及していることになる。すげぇな、日本(作中の)。

 

マージナル・オペレーション [F2] (星海社FICTIONS)

マージナル・オペレーション [F2] (星海社FICTIONS)

 

 

 実際、屋外対応の警邏ドローンが普及するのは早くても20年くらいかかるんじゃないだろうか。2017年の現在でも「空飛ぶ車」はまだ実用化されていないし。バッテリーの技術革新が無い限り電気駆動は難しそうだ。まあ、このあたりの考察は「富士学校まめたん研究分室」でじっくりされているんだろう。少なくとも俺が思い浮かぶようなことを芝村氏が取りこぼしているわけないだろうし。

 話を戻す。

 挿し絵はアラタとジブリールの街中での2ショット、ジブリールのかわいいエプロン姿、パウローのバストショット、あと新的将軍ことクリーク嬢の立ち絵の4枚。

 ジブリールのエプロン姿の挿し絵は、ウォッカの瓶を並べ直しているアラタを見つめるジブリールの様子を描いているんだろうけど、何でわざわざこのシーンを抜いたのかがよく分からない。さして重要な場面でも無いだろうに。何か深い演出意味があるのだろうか。 

 ジブリールが作った料理に関しては詳細の記述がないため、料理が上達しているのかどうかは不明。

 クリーク嬢は、李さんとは違った雰囲気の黒髪の美人(1巻で金髪って書かれてなかったっけ?気のせい?)。アラタが「秋田の妹に説教されているような気分」と言っているため、どうやら血縁関係がある模様。「下半身の緩いところが大嫌いだった」と孫に言われている良造さんなので、今後もアラタの(知らない)親戚が出てきそうだ。クリーク嬢が度々口にする「妹を人質の差し出す」という台詞も実の妹のことを指しているのではないのかも。年下のいとこ、親せきのことをまとめて「妹」と呼んでいるとか。アラタが「子供たち」と呼ぶような感覚で。

 パウローについても気になるところが色々ある。「遙か凍土カナン」のパウローゆかりの人物(順当に考えると子孫)なんだろうけど、アラタ(良太)のことを「良造」と呼んだりと謎が多い。挿し絵も祖先そっくりの容貌!芝村作品らしく「別の世界線からきたパウロー」みたいなことも考えられるが、マジオペシリーズはそこそこリアリティ・レベルが高いので、そこまで突飛なストーリー展開は考えづらい。まあ、巻を重ねるごとに追々明らかになっていくでしょう。

 しかし、挿し絵と巻頭の人物紹介の絵を見比べると、しずまさんの絵柄の変遷がよく分かるな。かわいい系の絵柄をモノにされたということだろう。

 3巻以降、物語がどういう風に転がっていくのか、全く予想が出来ないな。本巻も実際は北朝鮮へ治安制圧作戦に参加する予定で書いていたところを、思ったより北朝鮮情勢が本格的にまずい感じになってきたので、急遽違う方向に舵を取ったようにも見えるし、最初からこの結末につなげるために書いているようにも見える。急展開すぎ!

 1巻を読んだときは、しばらくロードムービー的な展開が続くのかと思ったけど、旅は2巻で終わりっぽい。

 3巻では久しぶりに伊藤さんに会えそうだ。いまいち実態の見えないシベリア共和国についても言及があるような気がする。

 続刊、楽しみにしております。