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ワキタヤBLOG

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「黒剣のクロニカ 02」を読む。まさかのモンスター娘小説!

 

黒剣のクロニカ 02 (星海社FICTIONS)

黒剣のクロニカ 02 (星海社FICTIONS)

 

 

「マージナルオペレーション」「遙か凍土のカナン」に続く、芝村裕吏、しずまよしのりペアの新シリーズの最新刊。

3月に発売されているのを気づかず、慌てて購入。

1巻を読んだ時は地中海文明的なファンタジー世界で主人公の少年の成長を描く、オーソドックスな教養小説的な内容になるのかと考えていたのですが、2巻からまさかのモンスター娘小説でした。

んあー(歓喜)

以下、感想です。

 

ケンタウロス娘やドリアードはファンタジー的な世界観を彩る一要素だと思っていたけど、まさかそれをグイグイ推してくるとは思いもしなかった。

主人公のフランはケンタウロスに欲情する神話級の特殊性癖を持った人間と言及されていたけど、お笑いで言う「振り」だったのか。

ケンタウロス娘、ドリアードに続いて、2巻で家臣としてモン娘が100人!加わります。

ちゃんと挿絵付きで全員活躍して欲しい。

しずまさんが描くモンスター娘を一杯見たい!

 

文章はマジオペと比較しても文体が簡素なので、するっと読める。

逆に言うと喉ごしが良すぎて物足りない。

設定として古文書(偽書?)を現代語訳した物語という体をとっているらしい。

確かに叙事詩のような淡々と物語が進んでいく雰囲気は出ているとは思うが、感情移入のためのフックがあまりないので、ダラーっと眺めるような読み方になってしまう。

 

2巻の終盤で主人公の親友ウラミが敵役として出てくるけれど、戦いがアンパンマンとバイキンマンの戦いのようで描写に緊張感がない。ダイジェストのような印象。

ウラミは続刊でも毎回出てきて「はーひふへほー」と言わんばかりのやられ方をするんだろうな。

 

人によってはこの簡素な文章と淡々とした物語の進み方が稚拙に見えて受け付けないかもしれない。

もともとゲーム作家の人なので、ガチの小説では戦えないという判断があるのかも(邪推に過ぎないが)ただ、自分の出来る戦い方を選ぶという戦略は正しいと思う。人間出来ることで頑張ればいいのだ。

 

あとハーレム系ラノベにありがちな女の子の好意に気がつかない主人公にリアリティを与える作業は大変だろうな。

ただの鈍感というだけでは人間としての感受性を疑うレベルの鈍感になるし、都合のいい難聴というのも読者の目が今後厳しいだろう(えっ、何だって?)

 

その点、芝村さんは無理のない範囲で「まあ、これくらいなら」という落とし所を心得ていると思う。

マジオペのアラタは子供を戦場に送り込む罪悪感から心を殺しているし、黒剣のクロニカのフランは自己評価が低さから、人に好かれるわけがない、好かれてはいけないという思い込みがある。

まあ、兄貴に日常的にお尻をXXXされていたり、自分のせいでお祖父ちゃんがXXXされていれば、トラウマから自己評価も低くなるか。

自己評価が低いけれど、実はすごい能力があって周り(女の子が!)が勝手に評価してくれるシチュエーションはボンクラ男子、永遠のあこがれ。

 

でも、同じようなボンクラ男子が好みそうなジャンルである「なろう系」小説は苦手。現代の技術や知識を持って異世界に転生するという、まんま植民地主義丸出しのシチュエーションは個人的には好かんです。

読んでいると悲しくなるから・・・。まだ現実であがこうぜ!と言いたくなるから・・・。

 

しかし、モンスター娘って性癖的にはどれくらいメジャーなんだろうか。

「ちょっと流行ってるらしいから乗っかってみよう」というにしては市場が狭くないか、このジャンル。

まあ世の中には「氷漬け・石像にされてしまった女の子フェチ」(状態変化フェチ)みたいな性癖もあるので、モンスター娘好きの方が業が浅いとは思うけれど・・・

 

欧米人にはケモナーが多いと聞くし、インターネットによって変態の輪は確実に大きく、太いものになっていっている・・・・・・

 

何にせよ、しずまさんが描くモンスター娘が見られるならば、何巻続いてくれてもかまいません。

今後は地中海の諸島を巡って冒険するようなオデュッセイア→ワンピースのような話の展開になるのだろうか。

 

マージナルオペレーション改ともども続刊を楽しみにしております。