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ワキタヤBLOG

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中国の一人っ子政策 小皇帝世代の中国

池上彰のニュース解説 そんなことも知らなかったSP」で中国について特集中。

  小皇帝について話が出ていたので、昔読んだ本について要約を書いてみます。

「小皇帝」世代の中国 (新潮新書)

「小皇帝」世代の中国 (新潮新書)

 

 

要約

中国の若者と言うのは、ある意味かなり特殊である。

彼らが子供時代を過ごしたのは、かなりの高度経済成長期であった。それは日本が四十年、五十年かかったことを、ほんの数十年で成し遂げようかというほどの、すさまじいスピードである。 

強く豊かな中国しか知らない世代が、「大国中国」の未来を担うのである。  

中国のメディアは、79年以降に生まれ、甘やかされて育った一人っ子を指して「小皇帝」と呼ぶ。甘やかされて育ったため交際能力に欠ける傾向があり、苦労知らずのためか旧世代のしがらみとは無縁である。彼らはネットを使いこなし、愛国意識と自国に対するプライドが高い。 

中国の小皇帝たちは生れ落ちるとそこは天国である。しかし、その天国もほんの数年で終わる。幼稚園に上れば、すでに熾烈な競争があり、その競争は大学に入学するまで続く。子供たちが幼稚園から過酷な競争にもまれているのは、すべて良い大学に入るためである。大学に入れば、その時点で将来は約束され、国の将来を担うエリートとして、政府をはじめ国営企業共産党組織などに就職を配分されてきた。 

しかしそれも今は昔。学生は自分で就職先を探す時代となった。中国ほど分母の大きい国で、全ての学生が自力で就職先を探すのは簡単なことではない。

二〇〇五年六の大学院、大学、短大の卒業生は、一年前より五十八万人増えて、三百三十六万人となった。学生たちはもちろん都市部での就職を希望する。しかし、これだけの人数が限られた地域に集中すれば、当然飽和状態となり「あぶれ組」が出現してくる。

中国の成人した若者のうち、三十%は、両親に養ってもらっている「啃老族(すねかじり族)」であると言われている。彼らは①就職から逃げる高卒労働者、②しごとの緊張、または疲労に適応できず逃げ出した、③創業の幻想を捨てきれない青年、④絶えず転職を繰り返す、⑤リストラされた、⑥学歴も低く、技能もないうえ、仕事の緊張感、苦しみに耐えられない一群の六つのパターンに分類される。

すねかじり族の大部分が一人っ子で環境への適応能力が脆弱だと言われている。①、②、⑥のパターンは小皇帝の悪い結果だと言える。 

競争は終わらず、心が落ち着く暇は無い。

中国では年間二十五万人が自殺している。なかでも二十歳から三十五歳の青年層では、自殺が死亡原因のトップになっている。

自殺未遂者も多く、年間二百五十万人から三百五十万人にのぼり、うつ病の患者数は、すでに二千六百万人を超しており、心を病む人の多さをうかがわせる。

巨大な競争社会の中で、勝ち組はずっと勝ち続け、負け組みはいつまでも負け続ける。その法則を変えるには、もう一度「心」という人間の原点に立ち返る必要があるのではないだろうか。  

中国人が持つ日本人像はあまりに悪い。しかし、世論調査で、「日本が嫌い」と答えた人の多くは、日本に行ったこともなければ、日本人と接したこともない。

ステレオタイプの日本人像を打ち砕くためには、等身大の日本を感じてもらう必要があるだろう。中国人の知ることのない「日本」を見せる。そこから新しい何かが始まっていく。

お互いのナショナリズムが激突し、負の連続が続く今、歩み寄りを放棄すれば、未来まで失ってしまうことになるだろう。 

感想

生まれ変わったら中国に生まれたいといった人に対して読ませてやりたい本。

積極的に禁欲する必要がない現代ではさもありなんといった話。

日本も他人事ではないですね。稼ぎが少なくても豊かに生きる方法の模索が必要ですわ。